新宿歌舞伎町春画展のサテライト企画として、東京とニューヨークを拠点に活動するイラストレーター兼アニメーターの冠木佐和子（かぶき さわこ）によるミニ個展「桃尻ケツ太郎喜び組 〜豪傑編〜」を人間レストランにて開催いたします。
大胆でユーモラス、そしてどこか照れくさい美しさを持つ春画は、性別や身分を超えて江戸時代の人々を魅了し、日々の生活に息づく「想像力の遊び場」でした。その奔放で、時に美しく、時に滑稽な世界観は、時空を超えて私たちの感性に響く普遍的な魅力を持っています。
一方、冠木佐和子の作品は、鮮やかな色彩と遊び心あふれる大胆なテーマで、女性のセクシュアリティや身体イメージ、社会規範を探求しています。1970年代の日本のグラフィックデザインや浮世絵から影響を受けた彼女のスタイルは、伝統と現代性を融合させた独自のものです。
両者の作品には「性の解放」「ユーモア」「視覚的な楽しさ」といった点で共通の精神が宿っています。本展は、新宿歌舞伎町春画展と冠木氏の作品が相互に響き合うことで、鑑賞者に性の表現とユーモアに関する新たな視点を提供することを目的としています。
冠木佐和子ステートメント
5年前に開催した『桃尻ケツ太郎喜び組』の続編です。
喜びってなんだっけ、と思いながら描きました。
今回は新宿歌舞伎町春画展のサテライト企画として、少なめの点数に、少し強めの残り香を詰めています。
是非いろいろ感じ取っていただけたら嬉しいです。
プロフィール
東京とニューヨークを拠点に活動する日本人イラストレーター兼アニメーター。鮮やかな色彩と遊び心あふれるながらも挑発的なテーマを融合させ、女性のセクシュアリティや身体イメージ、社会規範を探求している。彼女の作品は、1970年代の日本のグラフィックデザインや浮世絵の大胆な構図に影響を受け、伝統と現代性が交錯する独自のスタイルを生み出している。
緻密なテクスチャーと密度の高い構図が特徴で、しばしば「お尻セラピー」と呼ぶ小さな裸の人物を繰り返し描く。この反復的な手法は瞑想的な側面を持ち、ユーモアと奥行きを作品にもたらしている。
大学在学中、彼女のアニメーション作品は世界四大アニメーション映画祭でノミネートされ、その後、『Courrier Japon』によって「2023年に世界の注目を集めた日本人100人」の一人に選ばれた。以降、国際的な舞台でますます評価を高めている。
展示経歴（個展のみ）
2020 桃尻ケツ太郎喜び組 Spank Your Ass, 人間レストラン
Ningen Restaurant, Japan
2023 Butt Therapy, Galerie Miyu, France
2025 Secret lukewarm pleasure, Pocko Gallery Tokyo
受賞歴
2014 World Festival of Animated Film - ANIMAFEST Zagreb（ザグレブ国際アニメーション映画祭）, Croatia - Best Student Film
2014 Japan Media Arts Festival, Japan, animation division - Jury Selections
（文化庁メディア芸術祭 アニメーション部門 審査委員会推薦作品）
2018 Florida Film Festival （フロリダ映画祭）, USA - Best Midnight Short
2016 South By Southwest Film Festival（SXSW）, USA - Special Jury Recognition
2017 Annecy International Animation Film Festival（アヌシー国際アニメーション映画祭）, France - Student Competition Jury Award
2020 Ottawa International Animation Festival
（オタワ国際アニメーション映画祭）- Vimeo Staff Pick Award
2021 South By Southwest Film Festival（SXSW）, USA - Music Videos Special Jury Recognition for Pure Joy
2021 South By Southwest Film Festival（SXSW）, USA - Audience Award for the Music Video Competition screening section、他
開催概要
桃尻ケツ太郎喜び組 豪傑編
会期：2025年9月2日（火）～9月30日（火）
会場：人間レストラン（東京都新宿区歌舞伎町1-13-11 甲斐ビル4F）